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調査・設計

概要

ボーリングや物理探査、土質・岩石試験など各種調査・試験を通して、土木構造物の設計や斜面の安定解析に必要な地盤情報の収集を行います。さらにこれらの調査・試験結果にもとづいて、構造物の基礎構造の提案や地すべり対策工、アンカー工などの設計を行います。

調査
  1. ボーリング等地質調査全般
  2. 水文調査
  3. 物理探査
  4. 土質及び岩石試験
  5. インフラ点検
  6. 井戸の調査・設計
解析・設計
  1. 地すべり解析及び対策工の設計
  2. 法面、擁壁、盛土の解析及び設計
  3. 土留工の検討及び設計
  4. 地盤改良工の設計
  5. 水文解析

実施事例

目保呂ダム災害復旧測量設計(地質調査業務委託)
【⻑崎県対⾺振興局 令和元年 9 月〜令和 2 年 1 月】

令和元年 9 月の台風 17 号の接近に伴う集中豪雨により、⻑崎県管理の⽬保呂ダム(対⾺市)の貯水池周辺斜面において、⻑さ 185m, 幅 125m の地すべりが発生し、貯水池の周回道路が崩落しました。
⻑崎県との災害支援協定に基づく初動調査として、弊社では UAV 空撮や現地踏査を行って地すべりの規模や形態を把握しました。
その後、ボーリングコア観察によってすべり面を判定するため、採取率の高い「高品質ボーリング」を実施し、崩壊斜面の復旧方法の提案を行いました。

地すべり災害の全景

掘進直後にコア状況を発注者へ説明

地すべり機構解析図

木浦原地区地すべり調査委託(設計委託)
【⻑崎県県北振興局 平成 30 年 7 月〜平成 31 年 2 月】
平成 30 年 7 月上旬の集中豪雨により、⻑崎県佐世保市世知原町の木浦原地区において、⻑さ約 110m、幅約 85m の地すべりが発生しました。崩壊土砂は県道まで達し、一時通行止めとなりました。県道は、⻑崎県地域防災計画の⼆次緊急輸送路、かつ玄海原子力発電所の災害対策に係る避難経路に指定されていたため、早期の地すべり対策工の完成が求められました。このため、弊社では、
  1. 地すべりブロック毎の地形地質的特徴を考慮した設計計算条件の設定
  2. 施工性・経済性・環境性・維持管理といった総合的な評価に基づく対策策定
  3. 施工工程の効率化と切土後の早期定着による安全確保を図るため、アンカー工の鋼製受圧板を提案・採用
  4. 単年度完工を⽬標とした計画安全率達成のための設計・施工計画立案
などに留意して、経済的かつ効果的な対策工設計を行いました。

地すべり頭部の滑落崖(比高差3m程度)

被災直後の県道への土砂流出状況

実施された地すべり対策工の全容

平成 30 年度城原川ダム左岸地質調査(その 1)業務
【国土交通省武雄河川事務所 平成 30 年 10 月〜平成 31 年 3 月】
弊社は、佐賀県神埼市に国土交通省が建設を進めている城原川ダムの「原石山調査」を行いました。調査は採取された材料のコンクリート骨材としての適性や賦存量の検討に資することを⽬的としました。
調査では、基盤岩の硬質部に介在する脆弱箇所の状況把握のため高精度ボーリングによるコア採取を行い、ボアホールカメラによる孔壁画像観測を実施して、掘削切土時の斜面安定に影響する⻲裂や変質脈の解析を行いました。また、コンクリート骨材としての材料区分や適性評価のため、各種岩石試験や X 線回折分析、ならびにエコーチップ試験機による硬度測定を行いました。

隣接工区担当者との合同コア観察

亀裂のステレオネット解析図

孔壁画像解析図

横田地区水源調査業務委託【⻑崎県島原振興局 令和元年 10 月〜令和元年 12 月】
弊社では、⻑崎県雲仙市吾妻町地内において、畑地かんがいに必要な水源を確保するため電気探査(比抵抗法⼆次元探査)による地下水調査を行いました。今回実施した比抵抗法⼆次元探査は、あらかじめ設定した探査測線(延⻑ 240m,電極間隔10m, 探査深度 120m)に沿って電極を配置し地下の見掛け比抵抗(ρa)を測定する探査手法です。 探査結果により得られた見掛け比抵抗(ρa)をもとにコンピューターによる解析処理を行い、測線沿いの比抵抗層断面図(地質断面図)を作成し、地下地質の状況把握(地層変化、含水状況・空隙の多少など)と地下水胚胎(帯水層の存在と分布)の可能性を推定しました。これにより、探査測線沿いの最も地下水取水の可能性が高い位置を選定し、井⼾の掘削候補地として提案しました。

比抵抗法二次元探査_探査位置・測線

比抵抗二次元探査_方法・原理

比抵抗層断面図と井戸掘削仕様

探査状況

井戸掘削の土質区分と仕様

深度 土質区分 井戸仕様
有孔・無孔
0~40 礫混り土~軟岩 無孔
40~60 軟岩 無孔
60~110 軟岩 有孔
110~120 軟岩 無孔
町道北部1号線法面測量設計業務委託
【⻑与町建設部管理課 平成 27 年 7 月〜平成 27 年 9 月】
⻑与町が管理する吹付のり面は、施工から 40 年以上経過し、老朽化による変状が顕著になってきました。特に表面から剥離した吹付片が、のり面直下の生活道路へ相次いで落下するなど早急に対策工事に着手する必要に迫られました。

老朽化吹付のり面

モルタル吹付表面の剥離

しかしながら、対象となるのり面は、延⻑約 650m, 高さ 15〜40m, 面積約 13,000m2の規模を有するため、一度に全ての範囲で対策工事を行うことはできません。そこで、弊社では、のり面を延⻑ 15〜20m 程度に分割し、各区間の優先度を評価する手法※を考案しました。
対策工事の事業化に伴ってこの評価手法が採用され、優先順位の高い区間から測量・調査・設計を段階的に実施し、施工まで完成させるサイクルを確立しました。複数年度にかけてこのサイクルを運用したことで、危険度の高い区間の対策工事を着実に進めていくことができました。この取り組みによって、老朽化インフラの維持管理ならびに地域の災害防止に貢献できたものと考えています。
https://www.zenchiren.or.jp/e-Forum/2019/PDF/2019_053.pdf

吹付背面の空洞調査

対策工事の完了

工事

概要

地すべり対策や急傾斜地崩壊対策など土砂災害防止のための工事を行います。さらに構造物の安定性を確保するため、軟弱地盤の改良工事などを行います。

工事
  1. 杭工
  2. 横ボーリング工
  3. 集水井工
  4. アンカー工
  5. 法枠工
  6. 吹付工
  7. 切土補強土工
  8. 地盤改良工
  9. さく井工

施行事例

東山下地区地すべり対策工事【⻑崎県対⾺振興局 令和元年 5 月〜令和 2 年 10 月】
弊社では、対⾺市東山下地区の地すべり対策として抑止杭工を施工しました。
抑止杭工は複数の杭を地すべり方向に垂直に配置することで、地すべり推力に対して一体となって抵抗させるもので、今回の工事では全部で 59 本の杭の打設を行いました。

B-1ブロック施工状況

抑止杭建込状況

品質管理試験(溶接個所)

抑止杭偏心量測定状況

杭長 18.5m
抑止杭工 SKK490(φ500mm) 38 本
抑止杭工 SKK490(φ267.4mm) 21 本
災害関連緊急治山事業岩立地区治山工事(山腹工)
【福岡県農林水産部 農山漁村振興課 平成 31 年 3 月 27 日~令和 2 年 3 月】
平成30年 7 月の記録的な豪雨により、福岡県田川郡添田町の岩立地区では、大規模な地すべり(幅約 35m、斜面⻑約 165m)が発生し、下方のJR日田彦山線にも土砂が流失しました。弊社では、倒木の伐採や土砂掘削、抑止アンカー工、水路・筋工の設置、表面緑化等の災害復旧工事を行いました。

施行前の状況

対策工の全様

掘削(排土)工 4,312㎥
かご土留工 157.0m
集排水ボーリング工 500m
アンカー工(F50) 22 本(削孔長 225.5m)
人口張芝工 5,486.2㎡
主要地方道野母崎宿線道路改良工事(法面工その1)
【長崎県長崎振興局 平成 28 年 6 月~平成 29 年 3 月】
野⺟崎宿線(県道34号線)は、⻑崎県による道路改良(道路拡幅)工事が行われています。千々町付近の約 100mの道路拡幅のための斜面掘削後、弊社は斜面保護工事として、法枠工及び抑止アンカー工を行いました。

法面保護工の全景

現場吹付法枠工 485㎡
アンカー工(F40) 32 本(削孔長 592m)
鉄筋挿入工 31 本(削孔長 124m)
⻑崎 205 号深谷地区改良1期工事
【国土交通省⻑崎河川国道事務所 平成 30 年 3 月〜平成 30 年 9 月】
国道 205 号針尾バイパスは、佐世保市南部の慢性的な交通混雑の緩和及び⻄九州自動車道へのアクセス向上などを⽬的とするバイパスです。その中心付近に位置する江上交差点において、弊社では、立体交差となる基礎の液状化対策として、地盤改良工事(高圧噴射撹拌工事)を行いました。
当現場は、交通量の多い現道国道のすぐ近傍にて高圧噴射撹拌工事を行うものでありました。危険なポイントとして、地盤の変形による道路舗装の陥没や固化材の噴き上がりを検討課題として取り上げ、対策としてエアー供給孔の設置、道路の定点動態観測、見張り人の増員を行って細心の注意を図り施工しました。

写真1 施工全景

高圧噴射撹拌 工(OPT ジェット工法) 28 本(径 3.0m、改良長 10.0m)
橋梁用高欄設置 142m

資材販売

建設工事で使用される材料や部材の⻑寿命化は、ライフサイクルコストの低減やメンテナンスの軽減につながり、国土交通省の「インフラ⻑寿命化基本計画」等に対しても、これからの課題といえます。当社では設計や工事の経験をふまえ、下記の⻑寿命・高耐久の資材の販売をしています。
高耐久STKネット[http://www.stknet-koho.jp/]
ポリエステル 100%のきっ甲ネットで耐用年数は 60 年以上あります。軽量で錆びないネットとして、落石防護網工をはじめ多くの現場で活躍しています。

福岡市志賀島循環線落石防止網

熊本城被災石垣防護ネット

  1. STKガードネット:道路防護柵等の下部開口部をSTKネットで閉塞して、転落防止や小動物の侵入を防止します。
  2. STKワイヤフェンス:STKネットを支柱とワイヤロープで固定する、軽量・簡単フェンスです。
  3. ドレスネット[http://dres-net.info/]:STKネットの弾性反力を利用し、フェンス下部や上部にネットを取付けるだけの小動物侵入防止ネットです。
海水でも 132 年の耐食性を持つ鋳鉄製のパネル枠で、土留・護岸・護床工等に使用されています。
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